子宮内膜症とは?妊娠できる?

子宮頸がんをはじめ、子宮の病気は数ありますが、子宮内膜症はその中でも多くの人が悩む病気です。まずはどのような病気なのかを知りましょう。

どんな状態を子宮内膜症というの?

女性の多くは月に一度月経があり、約一週間かけて体の中から経血を排出します。

子宮内膜が剥離して血液と一緒になったものが経血です。

子宮内膜は通常子宮内にでき、妊娠した際には受精卵が着床するふわふわのクッションのような役目を果たします。

妊娠がなく不要になった場合に、古いものが月経の際に体から出されて新しいものが作られるのです。

この子宮内膜が、子宮以外の場所にできる病気が子宮内膜症です。

その多くは骨盤内(卵巣、ダクラス窩、膣、S状結腸など)にできますが、まれに肺など離れた場所で見つかる場合もあります。

子宮以外の場所にできた子宮内膜も、月経期が訪れれば剥離・出血がありますが、通常のように体外に排出することができません。

卵巣内で増殖した場合、月経の度に卵巣に古い血液が溜まって大きく膨れることになります。

これをチョコレート嚢胞といいます。

子宮内膜症の原因は?

なぜこのような症状が起こるのかというと、月経時に剥がれ落ちた子宮内膜の一部が卵管を逆走して腹部臓器に付着して増殖するという説(子宮内膜移植説)が有力で、これだと子宮内膜症の多くが卵巣内で確認されることもうなずけます。

もう一つ挙げられるのが、体腔上皮化生説です。

これは、腹膜がエストロゲンというホルモン物質や月経血の刺激を受け、子宮内膜組織のように変化をしてしまうという説です。

他にも生まれつきの問題だとか、いろいろな説がありますが、はっきりとした原因はわかっていません。

子宮内膜症は生殖年齢の女性の約10~15%に発症していると言われ、近年増える傾向にあります。

その理由として、初婚年齢・初産年齢が上がっていること、出産回数が減っていることなどが挙げられます。

同じ理由で現代の女性は昔よりも圧倒的に生理の回数が多いので、そのために子宮の病気のリスクが上がっていると推測されます。
腹腔鏡検査の進歩によって、症状が出る前に病気の発見ができるようになったことも、増加の原因の一つです。

子宮内膜症の症状は?

主な症状は、炎症や痛み、諸臓器との癒着です。
進行期は病巣の大きさや癒着の程度などによって4つの段階に分かれていますが、自覚症状は個人で大きく異なるので、
痛みが強いから進行している、とは一概に言えません。

それほど進行していないのに強い痛みがある場合もあれば、かなり進行していてもほとんど痛みを感じない場合もあります。

もしも、卵管周囲の癒着によって、卵子の輸送が困難になれば不妊の原因となり得ます。

子宮内膜症のほとんどは子宮周辺の性器に発症しますが、性器以外の肺、腸管、尿路などに発症した場合、月経時に気胸や血痰、血尿などの症状が現れることがあります。

子宮内膜症は徐々に進行するという考えが一般的ですが、長い間変化がない場合もあり、また、妊娠・出産をきっかけにして治る場合もあります。

基本的に良性の病気ですので、子宮内膜症自体が生命をおびやかすものではありません。

閉経すると病巣は自然に委縮して症状もなくなりますので、症状があまりひどかったり、かなり進行している場合以外は、
閉経するまで定期的に検診を受けながら、長い付き合いをしていくことになります。

しかしながら、卵巣チョコレート嚢胞は、悪性化して卵巣がんを発症する確率が0.7%と言われています。

年齢が高い(特に40歳以上)、もしくはチョコレート嚢胞が大きくなる(10cm以上)ほどがん化するリスクは高まりますので、
年齢にかかわらず注意が必要です。

定期検診は必ず受けましょう。

妊娠できるの?

前述したように、子宮内膜症の症状が進行して癒着を起こしやすくなり、卵巣からの卵子の放出が妨げられたり、輸送が困難になるなどが原因で、妊娠しにくくなることは考えられます。

また、子宮内膜症が原因で骨盤腔内に慢性炎症状態を引き起こし、それが授精や着床を妨げることもあります。

しかし、子宮内膜症にかかっていても、妊娠・出産ができたケースはたくさんあります。

子宮内膜症=不妊というわけでは決してありません。

ただし、ダグラス窩に子宮内膜症が出来ていたりすると、性交痛がひどい場合があります。

そういった場合は性交自体が苦痛で困難になりますから、パートナーとの相談が必要になります。

治療法は?

薬物療法と、手術があります。

薬物療法はいわゆるホルモン療法で、代表的なものにGnRHアゴニスト療法があります。

GnRHアゴニスト療法とは、一時的に閉経と同じ状態にする療法です。

子宮内膜症は閉経すれば病巣が委縮して治癒するものなので、一時的に卵巣の機能を抑え、病巣を小さくするのです。

妊娠希望が今のところない人や、年齢的に閉経が近いのでそのまま閉経まで続けたい人が選ぶことが多い療法です。

症状が重く、薬物療法によるコントロールも困難で手術を選択する場合、妊娠希望があるかないかが手術法を選択する上で要になります。

子宮内膜症の根治手術は、子宮と両側の卵巣を摘出することで、そうなるともちろん妊娠は望めなくなります。

再発の心配はありませんが、卵巣を摘出すると更年期様の症状が出ますので、これを抑えるためにホルモン補充が必要になります。

妊娠希望がある場合は、子宮と卵巣を残す保存手術になるので、再発の可能性は残ります。

最後に

子宮内膜症は良性なのでさほど恐れる必要はありませんが、長い付き合いになる病気です。家族や医者、自分の体調とよく相談をして、無理のない治療を続けることが大切です。

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