不妊治療の疑問。胚盤胞のグレードってなあに?

胚盤胞とは、体外受精させ5~6日間培養して育てた受精卵のことです。

タイミング法や人工授精での妊娠が難しいという方も、胚盤胞移植ですと状態の良い受精卵を選び本来の妊娠時期で準備の整った状態の良い子宮に戻してあげる事ができますので、妊娠の可能性が高くなります。

昔は初期胚といって受精後2~3日培養した受精卵を子宮に移植する方法しかありませんでしたが、近年の技術の進歩により体外で培養できる期間が増え、より妊娠の可能性の高い受精卵を選ぶことが出来るようになりました。

この胚盤胞の状態を、グレードと呼びます。

グレードによる妊娠率の違い

胚盤胞のグレードは、1つの数字と、2つのアルファベットで表されます。

最初の数字は胚盤胞の成長の段階をあらわし、4がベストの状態、3から5までが移植の対象となります。

次のアルファベットは、内細胞塊と呼ばれる将来赤ちゃんになる部分の状態です。

Aは内細胞塊が大きく状態が良い状態、Bは内細胞塊がやや小さめの状態、Cは内細胞塊がどこにあるかよくわからない状態となり、当然Aがベストです。

最後のアルファベットは、将来赤ちゃんのベッドとなる胎盤になる栄養芽細胞の状態。

Aは栄養芽細胞が均一に満遍なく胚盤胞のなかを取り囲んでいる状態、Bは栄養芽細胞の大きさや密度にばらつきがある状態、Cは栄養芽細胞が少なく胚盤胞のなかを囲みきれていない状態となります。

この3つの状態を判断して胚盤胞グレードが決められます。

一番グレードの高い「4AA」は、成長段階が孵化直前の4段階目、内細胞塊は大きく、栄養芽細胞は均一であるとても良い胚盤胞です。

子宮に移植される対象となるのは、「3BB」以上の状態の胚盤胞となります。

4AAの胚盤胞を移植した場合に着床する確率は、母体の状態や年齢、病院の技術力にもよりますがおよそ30%から50%ほど。3BBの場合でおよそ20%から30%ほどと言われています。

過去の体外受精と違い、およそ5日間培養した胚盤胞の移植は通常の妊娠と同じ時期に子宮に受精卵を戻すことになります。

その為、通常の妊娠よりも早い時期に受精卵を子宮に移植する初期胚移植と比べ、子宮の状態がより妊娠に適した状態に変化している場合が多く、子宮がより安定した状態で妊娠することが可能になっています。

グレードが低くても妊娠する事もあります

とはいえ、実際の妊娠でも妊娠に最適な状態でしか妊娠しないという事はありえないように、3BBの胚盤胞でしっかり妊娠できた!という方は多くいらっしゃいます。

逆に、4AAで駄目だったとがっかりされる場合もあるかもしれません。

この時期に、お母さんが何かすると妊娠の可能性が高くなるというものはほとんどありませんが、一般的には妊娠にはストレスは大敵といわれていますので、あまり心配しすぎて自分にストレスをかけてしまうのは、かえって妊娠を遠ざけてしまうかもしれません。

暖かくして、なるべくリラックスして判定日を待ちましょう。

病院ではおよそ2週間後に再来院の予約を取ることが多いのですが、市販の妊娠検査薬では移植後7日から10日ごろから陽性の反応が出る事があります。

一刻も早く結果を知りたいという方は試してみてはいかがでしょうか。

ただし、早めに検査した場合は検査の精度が低くなり、妊娠しているのに陰性がでてしまったり、陽性が出たけれど化学流産してしまうというような事もおこりますので、大きくショックを受けるタイプの方は、きちんと病院で診てもらうまで待つほうが良いでしょう。

胚盤胞移植のメリットとデメリット

他の不妊治療と比べて、胚盤胞移植のメリットやデメリットはあるのでしょうか?

大きなメリットとして

状態の良い胚盤胞を選ぶことが出来る

という事があげられます。

胚の状態の良しあし、問題の有無をきちんと判断してから移植することができるので、妊娠の確率が高まります。

子宮外妊娠の可能性が軽減できる

受精卵が、子宮ではなく卵管等に着床してしまう事を子宮外妊娠といいます。子宮以外では赤ちゃんが育つことは出来ませんので、子宮外妊娠をした場合無理な場所で大きくなった受精卵は周囲の内臓を傷つけたり、破裂してしまう事があり、最悪お母さんの命に関わる事も。

胚盤胞移植では子宮内膜が妊娠しやすい状態まで準備が整った時期に受精卵を戻しますので、きちんと着床する可能性が高く、子宮外妊娠の可能性は低くなります。

多すぎる多胎妊娠を予防できる

過去の不妊治療では、双子、三つ子、それ以上の多胎妊娠の事例があり、多すぎる多胎妊娠は母体も赤ちゃんもトラブルを起こしやすくなるだけではなく、生まれた後の育児も難しくなるため問題視されていました。胚盤胞移植では状態の良い胚を選んで移植する為、多すぎる多胎妊娠を予防できます。

では、胚盤胞移植のデメリットは何でしょうか?

胚盤胞まで育たないと移植できない

胚盤胞移植はまだ新しい技術である事もあり、培養して胚盤胞までそだつ受精卵は2~3割と言われています。

卵子を採取する際に採卵できた数が少なかった場合には、胚盤胞が一つも出来ないこともあります。
この場合には、当然その周期の移植はできなくなります。

最後に

とはいえ、胚盤胞移植は今までの方法よりも高い確率で妊娠を期待できる方法です。

赤ちゃんを待望していて、他の不妊治療では思うような結果が出ていないという方はステップアップを検討されてはいかがでしょうか。

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