クルーガーテストとは?

赤ちゃんが欲しいのになかなかできない、という不妊症のカップルは近年増加傾向にあります。2年間以上、妊娠するために必要な行為を行っているにも関わらず妊娠しない場合に、不妊症と診断されます。現在の日本では、およそ8組に1組が不妊症だと推定されています。

ドラマなどでは、不妊症の場合は女性だけが検査や治療を受けているというイメージがあるようですが、これは大きな誤解です。

不妊症の原因が男性にある場合が4割、女性にある場合が2割、不妊症の原因が良く判らない場合が2割です。一般の人が思っている以上に、男性が原因の不妊症が多いというのが現状です。

したがって、赤ちゃんがなかなかできなくて悩んでいるカップルは男性も女性も検査を受ける必要があります。

クルーガーテストは、不妊治療の際に男性が受ける検査の1つです。

精液の中の精子に色を付けて、顕微鏡でその形を確認する検査です。

精子は頭部、中片部、尾部(しっぽ)の3つのパーツからなります。
頭部は細胞核からなり、中片部はミトコンドリアを含みます。尾部は推進運動を行う場所で、ここの形に異常があると、精子の運動が悪くなります。

近年、精子の形に異常が見られることが増えています。

頭部がとがっていたり、洋ナシ型だったり、2つに割れているなどのいびつな形になっていたり、空砲があったりと形のおかしい物が見られます。

また、頭部の先端にはアクロゾームという卵子に受精する際に必要な酵素が入っている場所と、DNAが入っている場所があるのですが、アクロゾームが多いという異常も、見られることがあります。

また、中片部や尾部では首が曲がっていたり、尾部が短かったりといった異常も見られます。

精子の形が正常だと分類された割合が15%以上だと、正常です。自然妊娠が期待できます。
しかし、15%未満だと正常な形の精子の割合が少ないために、妊娠しにくい状態だと言えます。

4%以下の場合は、奇形精子症と診断されます。挙児を希望する場合は、不妊症治療の対象となります。

また、精子の数が少ないうえに形が異常なものが多いというケースもあります。

何が原因なのか真の原因はよく判っていませんが、精子の数は年々減っています。一昔前は1ml中に1億以上であった正常値が、1999年には2000万以上となり、2010年には1500万以上となりました。半分どころか6分の1以下です。おそらく2016年の現在ではもっともっと減っているであろうと推測されます。

クルーガーテストは、痛みはありません。ただ、精液の採取に抵抗を示す人もおられます。

自宅で採取したものを持参したのでOKだという病院もありますが、多くの病院では院内のトイレや採精室で採取してくるようにと、指示されます。このように支持されると、「どうして俺がこんなことをしなければいけないんだ」と屈辱的だと感じるようです。

しかし、言い方が少し乱暴かもしれませんが、性器を誰かに見られるという訳ではありません。男性トイレの個室内で誰にも見られることなく採取できます。また前述しているように痛みはありません。

女性の不妊症の検査は、その多くが痛みを伴います。そして痛みと同時に羞恥心も伴います。見せたくない場所を他人に見せなくてはなりませんし、屈辱的な姿勢を取らなければならないので、女性にとってはつらい検査だと言えます。

女性が受ける不妊症の検査と比べると男性が受けるこのクルーガーテストは、痛みと言った苦痛はなく羞恥心や屈辱感も少ないのではないでしょうか。

どうか、女性だけが不妊症の検査を受けるのではなく、男性も検査を受けてください。

不妊症の検査や治療を受ける際にもう一つの問題点として、男性が婦人科を受診することに抵抗がある、という人が多いという事があげられます。

婦人科を受診するのは女性ばかりです。多くの女性の中に男性がポツンと一人混じっていると、「この人は一体何なんだろう」といった目で見られることもあります。
婦人科の待ち合いで診察の順番を待っているのが辛くて、少し離れたところで立っていたり、大きな病院の場合は隣の診療科の所で待っているというケースも多々あります。

日本生殖医学会が認定する生殖医療専門医は2016年4月1日の時点で596人いますが、泌尿器科医は1割にも満たないのが現状で、50人にも満たない状況です。

泌尿器科の生殖医療専門医は日本生殖医学会のホームページから検索することができます。しかし、泌尿器科の専門医が1人もいない都道府県が大半です。
一番多いのが大阪で9人、次いで神奈川県の7人、千葉県の7人です。

婦人科の中には、男性不妊の専門外来を設けている医療機関もあります。仕事をしている男性でも受診しやすいように土曜日に男性不妊の専門外来を設けていることもあります。このようなケースだと、周りが女性ばかりのなかで男性が一人、診察の順番を待つという事もないので、気分的にはずいぶん楽でしょう。

不妊症の原因の半分近くが、男性にあります。

男性も不妊症の検査を受けましょう。クルーガーテストは、精子の形を調べる検査で痛みはありません。

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