不妊治療保険が充実しないワケ

不妊治療は、健康を回復するための治療ではないということから、日本では健康保険が適用されません。

健康保険が適用されない治療は、正常分娩の検査や分娩費用、老眼や近視の矯正、美容目的の歯列矯正やシミとりなどのレーザー治療などがありますが、これらの治療は、生活をしていく上で、必要な治療とはみなされず、生活の質を向上するための治療ということで、公的に補助する必要がないと考えられているため、健康保険が適用されません。

ただ、正常分娩も健康保険の適応外となっているので、分娩費用の自己負担が重すぎ、少子化に拍車をかけているという理由で、出産手当一時金が支給されます。

少子化対策なら、不妊治療も保険適用とされてもよさそうなものですが、健康保険ではなく自治体の助成制度が適用されます。

また不妊治療保険が充実しない理由として、財政敵な理由以外にも、ホルモン注射をして、女性の体を不自然な状態にし、さらに麻酔をかけて卵巣に針をさせいて、採卵するという、女性の体に負担をかける治療が、産めなくてもそこまでしないといけないという社会的な風潮になるのではないかという慎重論もあります。

不妊治療に保険が適用されない理由はさまざまありますが、主な理由として、財源面的な問題と治療効果面の問題があります。そもそも不妊治療として、どの程度実績を上げているかは、実際の所よくわかっていないところもあり、体外受精などの直接的なものから、タイミング法、漢方や鍼治療などさまざまです。

どのような方法で、どの程度の効果と費用がかかり、どのように補助すればということが自治体でもあまり明らかになっておらず、手探りの状況といってもよいため、不妊治療保険は充実していきません。

一定の治療効果のでる治療方法が、今の時点では確立していないため、財源や制度を維持することができません。

また、もう一つの理由は、不妊が病気になるかどうかという点にあります。

不妊に関しては、命にかかわる病気ではないため、保険治療という考え方に当てはまるかどうかということもあります。不妊の原因や治療が確立されて、いっていの治療結果が出るようになれば、保険適用になるかもしれませんが、現状では保険適用できないような状況となります。

不妊治療を考えるとき、一般的不妊治療と高度生殖医療の2つに分けて考える必要があります。
多くの人は、不妊治療というと、体外受精などをイメージするかもしれませんが、一般的不妊治療である不妊治療の第一段階として、タイミング法、第二段階の人工授精と、第三段階の体外受精およびそれに伴う医療を、高度生殖医療があります。
通常、不妊治療をスタートすると、検査と同時にタイミング法という一般的不妊治療が始まります。
このタイミング法は、排卵日を見定めて自然妊娠を目指すもので、半年から1年行っても妊娠に至らない場合には、人工授精へと移行していきます。

人工授精は、パートナーが提供した精液を、医療機関が洗浄して、精子の濃度調整を行って、子宮の中に入れる治療で、1回2~3万円ほどかかります。

タイミング法は健康保険の適用となるので、1回数千円程度で受けることができますが、人工授精は健康保険の適用外となってしまいます。

また、人工授精を5~6回ほど行っても妊娠に至らない場合には、体外受精へと移行します。

体外受精は、女性の卵巣から卵を外に取り出し、シャーレの中で精子と受精させることをいい、無事に受精して分割卵となれば、子宮に戻します。

この治療は、高度な医療技術が必要となるため、一般的な不妊治療と分けて考えた方がよいという理由に、高額な医療費がかかるという点があります。

この体外受精は、40~80万円ほどの金額がかかります。しかも、1回あたりの妊娠率が5~8パーセントと、低い確率となっているため、体外受精などの高度生殖医療に足を踏み入れると、肉体的負担だけでなく、金銭的な負担も重くのしかかってしまいます。

不妊治療は、どこまでやるかによりますが、深く足を踏み入れれば踏み入れるほど、お金がかかってしまいます。

そもそも健康保険は、医師によって病気と診断された症状を治療する場合に適用されますから、病気と診断されないものに関しては、保険は適用外となってしまいます。

現在では、不妊は病気とはみなされていませんから、体外受精や人工授精には保険が適用にならないというわけです。

ただ、不妊の原因が、卵巣や子宮、精巣の異常などによる場合には、保険が適用になります。不妊治療にはお金がかかります。

健康保険の適用とはなりませんが、国や地方自治体は、助成金という形でサポートしています。

年齢や治療のステージによって助成金の金額は異なりますから、事前によく調べておくとよいでしょう。

治療を受ける前に、治療を希望する医療機関の医師に、詳細なスケジュールと治療内容の説明、治療費などについて、きちんと確認しておくことが大事です。

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